屠殺されるまであと10日。メイたちはそのことを知らない。
あと10日でメイたちは3kg前後になる。今でも十分すぎるくらい過密だが、そのころはどれくらい過密になっているのだろう。
鶏舎に人が入ってくるとメイたちは驚いて逃げる。でもそれ以外の時間はほとんど動かないで過ごすようになった。自分の重すぎる体重を抱えて、毎日生きるだけでいっぱいいっぱいのように見える。汚い地面に触れ続けたメイの足の裏は炎症を起こしている。炎症はメイに痛みを与え、それもメイがもうあまり歩きたくない理由なのかもしれない。
体がどんどんしんどくなっていっても、メイは生きることをあきらめたりはしない。いつか呼吸が楽になるかもしれない、いつか苦痛がなくなるかもしれない、いつか楽しいことがあるかもしれない、そうやっていつも耐え続けている。より良く生きたいという気持ちは、人と変わらない。
体重2272g
水漏れ
鶏舎の中ではしばしば水漏れが起こります。数万の雛に必要なだけの給水装置が設置されており、それらを全て、常に正常な状態を保つことは簡単ではありません。鶏舎の設備は年々劣化し、人手不足が深刻な畜産業では管理する人数も限られています。水漏れの量は少量でも、広い鶏舎の中で発見されずに放置されれば広範囲にわたって地面がどろどろになり、不衛生になり、細菌も増えやすくなります。その付近にいる雛がそこに座るしかなく、お腹が冷えたり細菌感染によって下痢に繋がります。下痢をすると地面の汚染に拍車がかかります。
動物愛護法に違反した行為
動物の愛護及び管理に関する法律では鶏は愛護動物にあたります。今日もメイたちは、動物愛護法違反の虐待を受けている可能性があります。
・水を与えずに(飲めないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・餌を与えずに(食べられないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・怪我をした雛を治療しない行為(第44条2項)
・過密な状態で飼育する行為(第44条2項)
・弱ったり疾病を抱える雛を治療せずに衰弱させる行為(第44条2項)
・雛を餓死、衰弱死させる行為(第44条1項)
・糞尿が堆積した場所で動物を飼育する行為(第44条2項)
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