鶏舎の中では一羽一羽の個性が問題になることはない。弱って死ねば外に出され、成長の見込みがなければ殺される。かけがえのない尊い命として扱われることはなく、メイたちは「群れ」で管理される。
でも人間がどんなふうに扱おうとも、一羽一羽、私達と同じように個性があって、メイにはメイの好きなものや苦手なものがある。メイにはメイの特別な友達がいて、他の雛には他の雛の特別な友達がいる。
昔、動物には感情や感覚があるという考えは長い間否定されてきた。でもいまは誰もが動物が感受性のある生き物であることを知っているはずだ。でもここではまだ、メイたちは肉を生産する「機械」のような扱いを受ける。そして一羽一羽がその扱いに苦しんでいる。そのような扱いを受けるのはメイたちのせいじゃない。人間社会のシステムのせい、人間の欲望のせいだ。
体重2190g
日本の動物福祉ランク
畜産という業態では多かれ少なかれ必ず動物は苦痛を強いられ最後には殺されます。でもその過程で少しでも動物の苦痛を減らそうという考えがアニマルウェルフェアです。畜産がすぐになくなることはないことを考えるとこの考えを推進することはとても大切です。しかし、世界的にアニマルウェルフェアの取り組みが加速する中日本は大変後れています。国際組織であるWAPの国別ランキング(2020年)は日本の畜産動物福祉のランクが最下位のGランクであると評価しています。https://www.hopeforanimals.org/transport/wap2020-api/
動物愛護法に違反した行為
動物の愛護及び管理に関する法律では鶏は愛護動物にあたります。今日もメイたちは、動物愛護法違反の虐待を受けている可能性があります。
・水を与えずに(飲めないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・餌を与えずに(食べられないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・怪我をした雛を治療しない行為(第44条2項)
・過密な状態で飼育する行為(第44条2項)
・弱ったり疾病を抱える雛を治療せずに衰弱させる行為(第44条2項)
・雛を餓死、衰弱死させる行為(第44条1項)
・糞尿が堆積した場所で動物を飼育する行為(第44条2項)
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