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泣 怒

38日齢 餌を見上げながら死んでいく

餌皿の前で餌を食べたそうに上を見上げている雛。届かないのだ。
後ろ半身に麻痺が来て思うように足を動かせない。首を伸ばしても届かない。移動するときは翼を使う。羽ばたきの勢いで移動する。立とうとして足の関節を踏ん張っても、じきに後ろに倒れてしまう。そういうことをずっと繰り返し、だんだん疲れてくる。何も食べられない、飲めない。上を見上げては、なんとかできないか考えるけど、自力ではもうどうしようもない。もう、治癒することはないのだ。

運良く、心ある従業員に寄って、そういう雛が餌のところに持ち上げてもらえたら、待っていたように必死で餌を食べ始める。長い間何も食べていなかったので、とてもおなかが空いていたのだ。鶏肉用に急激に太るように品種改良されたブロイラー種は、その分食べたいという欲求も強い。

地面はどんどん汚くなってきた。広い鶏舎のどこか別の場所を探せばもっとましなところもあるかもしれない。でもメイたちはあまり遠くへ移動しない。自分の見知った雛がいる場所にいたい。そして遠くに移動しようにも、メイはあまりもう動きたくなくなっていた。ギュウギュウづめの雛の群れの中を歩くのも、重い自分の体を抱えて歩くのもしんどい。

声を出さずに鳴いている雛も時折いる。それは呼吸器の障害だ。息苦しくて、息をするだけで精いっぱいというように、地面にずっと座り込み、呼吸を繰り返している。

体重2118g

鶏舎の空気

鶏舎の中の空気は良いとはいえません。糞を吸ったオガクズは、雛が出荷されるまでそのままで、アンモニア臭が鼻をつくこともあるし、鶏の羽毛や細かい脂粉が全体に始終舞っています。鳥類は気嚢を持ち、他の動物に比べて酸素要求率が高い生き物です。鶏舎の空気は鶏が健康でいられる空気とはいえません。

糞が転がっているだけの地面

アンモニア臭

鶏舎の中のアンモニアレベルについてはさまざまな動物福祉基準があります。25ppmというものが多いですが、20ppmというものがあります。どんな福祉基準であっても0ppmという基準を設けているところはありません。なぜなら不可能だからです。しかし私たち人間が普通に暮らすときのアンモニアレベルは0ppmです。それなのに肺の10倍もの大きさの気嚢を持ち、たくさんの空気を必要とする鶏は20ppmまでOKとされてしまっています。畜産とは動物を人の何段も下におき、見下すことで成り立っています。

動物愛護法に違反した行為

動物の愛護及び管理に関する法律では鶏は愛護動物にあたります。今日もメイたちは、動物愛護法違反の虐待を受けている可能性があります。
・水を与えずに(飲めないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・餌を与えずに(食べられないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・怪我をした雛を治療しない行為(第44条2項)
・過密な状態で飼育する行為(第44条2項)
・弱ったり疾病を抱える雛を治療せずに衰弱させる行為(第44条2項)
・雛を餓死、衰弱死させる行為(第44条1項)
・糞尿が堆積した場所で動物を飼育する行為(第44条2項)


赤ちゃんとは思えない体格になってしまった38日齢のメイ

めいの50日を一緒に見守る

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