メイたちのような平均的な雛の背の高さに合わせて給餌機や給水器の高さを変える。足の悪い雛や小さすぎる雛は背が届かず飲めなくなり、食べられなくなる。だから次第にやせ、脱水も酷くなっていく。そんな雛たちは痛みを我慢して、羽を使い、這って餌場に移動した。弾みをつけてなんとか、水を飲み、餌を食べようとした。自力ではどうにもならない。
足も、平均より小さいことも、自然に治ることはない。これらは「品種改良」が根本的な原因だからだ。
メイの鶏舎だけでも、餌や水を得られず苦しむ雛がどれだけいるのか、把握しきれない。そして今この瞬間に、日本全体では、あるいは世界ではどれほどのブロイラーの赤ちゃんたちが苦しんでいるのだろうか。
体重1420g
屠殺数
世界中で660億以上の鶏が肉のために殺されています。
国内では毎年約6億9千万羽の肉用鶏が殺されています。そこに1億の採卵鶏の廃鶏が追加されています。また、日本は屠殺している鶏のおよそ倍の量の鶏肉をブラジルやタイなどから輸入しています。
鶏肉の代替とウェルフェア
代替肉の市場は年々拡大しており、動物を殺すという過程を経ない培養肉の商業化も現実のものになろうとしています。2100年にはこれらの代替肉技術の広がりにより畜産はなくなるだろうという社会学者もいます。地球温暖化、水質汚染、耐性菌、労働者の福祉、人畜共通感染症、動物への虐待、どれをとっても畜産はリスクが高すぎることが共通認識になりつつあります。おそらく工場畜産はいつしか終了するでしょう。しかしそれまでの間、膨大な数の雛の苦しみは続きます。今、目の前にある雛の苦しみを少しでも減らすためには、アニマルウェルフェアへの取り組みも必要です。
アニマルウェルフェアへの取り組みをすすめるため署名してください
動物愛護法に違反した行為
動物の愛護及び管理に関する法律では鶏は愛護動物にあたります。今日もメイたちは、動物愛護法違反の虐待を受けている可能性があります。
・改善可能であるにも関わらず雑であったり誤ったりした方法で動物を殺そうとして長く苦しめる行為(第44条第1項)
・水を与えずに衰弱させる行為(第44条第2項)
・怪我をした雛を治療しない行為(第44条2項)
・弱ったり疾病を抱える雛を治療せずに衰弱させる行為(第44条2項)
・雛を餓死、衰弱死させる行為(第44条1項)
・糞尿が堆積した場所で動物を飼育する行為(第44条2項)
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