時々クチバシが変形した鶏がいる。変形したクチバシで餌をついばむのは難しいそうだ。遺伝的な問題を抱えている可能性もある。そのため、クチバシが変形した鶏はたいてい痩せて、とても小さい。大きくなったメイたちの群れの間で、隠れるようにたどたどしい足取りで歩いている姿を見かける。こういう雛は殺されるまでのたった50日ですら、生き延びられないこともある。水に届かなくなっていき、衰弱して死んでしまう。
今日もそんな雛が居た。口を大きく開けて、喉を見せながら、あえぐような呼吸をくり返している。まもなく死んでしまうだろう。
32日間この雛は、満足に餌を食べることもできず、どんな思いで、どんな32日間を過ごしてきたのだろうか。
体重1646g
雛の苦しみ
日本だけで年間7億近くの雛が鶏舎に入れられ、このような過程をへて産まれてたったの40-50日で出荷されています。雛の苦しみはこれからもずっと続くのでしょうか。
希望が持てるのは、現在、動物を拘束し搾取して環境に損害を与える企業のビジネスモデルが壊れはじめていることです。投資機関はそのような企業を避けるようになっており、同時に植物性の代替肉市場が史上空前とも言うべきスピードで拡大しています。海外に遅れをとってはいますが、国内でも代替肉市場に参入する企業が近年急増しています。企業に動物の苦しみを伝え、代替肉があることを示し、ブロイラーの鶏肉を扱わないよう意見を届けてみてください。
動物愛護法に違反した行為
動物の愛護及び管理に関する法律では鶏は愛護動物にあたります。今日もメイたちは、動物愛護法違反の虐待を受けている可能性があります。
・水を与えずに(飲めないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・餌を与えずに(食べられないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・怪我をした雛を治療しない行為(第44条2項)
・弱ったり疾病を抱える雛を治療せずに衰弱させる行為(第44条2項)
・雛を餓死、衰弱死させる行為(第44条1項)
・糞尿が堆積した場所で動物を飼育する行為(第44条2項)
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