雛たちにはふたつの選択しかない。
鶏舎の中で苦しんで死ぬか、生き延びて食用として殺されるかだ。どちらにしても50日以上生きることは許されない。鶏舎の中で、呼吸困難、足の障害、体の炎症、痛み、飢え、乾きといった酷い苦しみに襲われる死も悲惨だが、生き延びて屠殺されるのが楽というわけでもない。
たとえば異様な過密。自分の体重が重すぎて生きるだけで精いっぱいな日々。砂浴びもできず薄汚れていく自分に我慢を重ねて、50日間生き抜いたとしても、その先に待つのは乱暴な「捕鳥」作業だ。数万の雛が捕まえられてカゴにつめられる作業の間、雛たちは経験したことのない恐怖と暴力的な扱いにさらされる。それから立ち上がることもできない高さのカゴの中で、手荒い補鳥作業に傷ついて大腿骨が破壊され出血して死ぬ雛がいても、トラックは無情に揺れながらメイたちを屠殺場に運ぶだろう。屠殺場では逆さにつり下げられ、意識もそのままにいきなり首を切断される屠殺場さえもある。さらには生きたままで熱湯につけられる雛さえいる。
結局、この先のメイをどちらの運命が待っていたとしても地獄。「鶏肉」になるために産まれたブロイラーだから仕方ないと言う人がいるが、メイは受け入れられるはずがない。
体重2658g
屠殺方法
日本では気絶処理(スタニング)なしで屠殺されることは珍しくありません。これはヨーロッパでは禁止されているやり方です。咽頭が切られた動物がまだ意識している間に、動物が不安、痛み、苦痛および他の苦しみを感じることができるので、 スタニング無しの首の切断は深刻な福祉問題 が起こりやすいと言われています。リンク https://www.hopeforanimals.org/slaughter/517/
生きたまま熱湯に
2018年、生きたままで熱湯で茹でられた、メイたちのような日本の「肉用鶏」は、508,406羽。この数字は増加傾向にある。https://www.hopeforanimals.org/broiler/red-skin-chicken-2018-broiler/
動物愛護法に違反した行為
動物の愛護及び管理に関する法律では鶏は愛護動物にあたります。今日もメイたちは、動物愛護法違反の虐待を受けている可能性があります。
・水を与えずに(飲めないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・餌を与えずに(食べられないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・怪我をした雛を治療しない行為(第44条2項)
・過密な状態で飼育する行為(第44条2項)
・弱ったり疾病を抱える雛を治療せずに衰弱させる行為(第44条2項)
・雛を餓死、衰弱死させる行為(第44条1項)
・糞尿が堆積した場所で動物を飼育する行為(第44条2項)
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