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47日齢 メイに屠殺が迫る

出荷(屠殺)まであと3日。雛たちはもう限界まで太らされている。

メイには目立った足の障害はない。骨折していないし捩じれてもいないし起立不能になってもいない。歩くこともできる。でも、明らかな障害がなくても、自分の体重をもてあますように、ガニ股でヨタヨタと歩く。そして少し歩くとハアハアと荒い息をして座り込む。どの雛もそうだ。

これがブロイラーの「正常」なのだろう。だが他の鶏と比べると明らかに異常だ。生物学的にも異常だ。

雛にとって嘴は手の役割を果たす重要なものだが、足もそうだ。片足で立って顔についた異物を取り除いたり、体温調整をしたりもする。だがあまりに体重が増えて片足で立つことがままならない雛もいる。鳥類は背中にある尾腺から油をクチバシで掬い取って羽繕いしてグルーミングする。だが体が大きくなりすぎて尾腺にクチバシを届くか届かないかという状態だ。体が重くなりすぎてグルーミングどころか、メイたちは毎日生きるだけで精いっぱいのように見える。

断っておくが、これが一般的な「鶏肉」だ。国内のスーパーで売られる「鶏肉」のほぼ100%は、メイたちのような急激に成長する種であり、メイたちのような飼育方法なのだ。

体重2800g

動物解放とアニマルウェルフェア

2020年3月、改正された「食料・農業・農村基本計画」が発表された。その中にはアニマルライツセンターが要望していた「植物性タンパクへの移行を目指す」も要望そのままではありませんが次のように盛り込まれました。

「多様な食の需要に対応するため、大豆等植物タンパクを用いる代替肉の研究開発等、食と先端技術を掛け合わせたフードテックの展開を産学官連携で推進し、新たな市場を創出する。」今の代替肉移行の動向、SDGsの考えの広がり、地球環境への配慮を求める声、こういったことを総合すると、将来的には動物を殺した肉は代替肉へ切り替えられるでしょう。すでに食肉企業でさえ代替肉や培養肉(動物を殺さずに培養して作る肉)に投資し、自らそれらの研究・販売をはじめている状況です。この動きを促進させ、一日も早く動物の経済利用をなくしかれらを解放する必要があります。【署名】ファストフードさん!鶏肉を代替肉に切り替えて! https://www.change.org/savechickens

しかし代替肉への切替はすぐには行われません。その間殺され続ける動物の苦しみを減らす取り組みも必要です。ヨーロッパではより雛の苦しみを減らすことの出来る「ゆっくり成長する鶏』への切り替えが進んでいます。https://www.hopeforanimals.org/broiler/slowgrowing/

今現在も、そしてこれから数十年は殺され続けるであろう雛たちのために、「異常に早く成長する種を使わない」「鶏舎のエンリッチメントを行う」「飼育密度を減らす」などの取り組みを企業に促す必要もあります。

署名 雛の飼育環境改善を求める署名 https://50days.jp/#petition

動物愛護法に違反した行為

動物の愛護及び管理に関する法律では鶏は愛護動物にあたります。今日もメイたちは、動物愛護法違反の虐待を受けている可能性があります。
・水を与えずに(飲めないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・餌を与えずに(食べられないとわかっていて放置する)衰弱させる行為(第44条第2項)
・怪我をした雛を治療しない行為(第44条2項)
・過密な状態で飼育する行為(第44条2項)
・弱ったり疾病を抱える雛を治療せずに衰弱させる行為(第44条2項)
・雛を餓死、衰弱死させる行為(第44条1項)
・糞尿が堆積した場所で動物を飼育する行為(第44条2項)


47日齢のメイ
一羽一羽、見た目も違う

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