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27日齢 長い藁が宝物

この日、メイは地面の中から偶然、長いワラを見つけた。こんなものを見たことがなかったメイはとてつもなくうれしくて、ひとりで走り出した。こんな奇跡がなければ、「長いものであそぶ」なんて、雛たちは一生できないのだ。単調な鶏舎の中には、雛の好奇心を満たせるようなものは何も与えられなかった。しかしすごいものを見つけたメイは、今日だけ幸せだった。床には汚れたノコクズと雛たちの糞が積もっているだけで、なぜそれが紛れ込んだかわからない。メイはゆっくりと長い時間あそんだ。

雛はそんなささいな、ほんとうにちょっとした目新しいものでも与えられれば、子どもらしく喜んだ。高価なものである必要はこれっぽっちもないのに、鶏舎の中には、雛たちがあそべるものは何一つなかった。ブロイラーのエンリッチメントなど、ここの人間は気にもせず、メイたちを肉として太らせることにしか関心はなかった。

雛たちは安楽死すらもさせてもらえない運命だった。弱った雛は糞だらけの床の上で死ぬのを待つ。運が良ければ見つけられて、農場の人に殺された。もちろん麻酔はなく、よくて首の骨をいきなり外されて死ぬ。それでも雛は顔をゆがめ、クチバシをパクパクさせ、もがいて逝った。

体重1270g


弱った雛の殺し方

死体を入れるコンテナ。この中の大半はまともな殺され方をしていないのではないだろうか。

日本では安楽な方法が導入されておらず、農場内で可能な方法と言えば首の骨を外す頸椎脱臼と言う方法です。しかし頸椎脱臼は、意識の即時の喪失をもたらさないという重要な証拠があります。公開された研究によれば、頚椎脱臼された鳥のうち、効果的に行うことができたのは10%だけでした。つまり、頚椎脱臼の後に脳活動が継続するリスクが常に存在します。
頸椎脱臼の問題について詳細はこちらから

動物愛護法に違反した行為

動物の愛護及び管理に関する法律では鶏は愛護動物にあたります。今日もメイたちは、動物愛護法違反の虐待を受けている可能性があります。
・改善可能であるにも関わらず雑であったり誤ったりした方法で動物を殺そうとして長く苦しめる行為(第44条第1項)
・水を与えずに衰弱させる行為(第44条第2項)
・怪我をした雛を治療しない行為(第44条2項)
・弱ったり疾病を抱える雛を治療せずに衰弱させる行為(第44条2項)
・雛を餓死、衰弱死させる行為(第44条1項)
・糞尿が堆積した場所で動物を飼育する行為(第44条2項)


より一層、混雑してきた
大人の羽が生えそろってきた27日齢のメイ

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